ホンモノの【琉球畳】について畳屋としての考察と再学習

ども、店主オオガメです

琉球畳って何?

いきなりですが、この記事を見ているみなさんに質問です。『琉球畳』『琉球表』って聞かれたことあると思いますが、どんなものをイメージされますか? 多分多くの方は「ヘリの無い正方形の畳」とか「正方形の畳で色んな色があったりして市松模様に敷いたもの」を想像されているのでは無いでしょうか?

多くの人のイメージする琉球畳のイメージ図

正解は…

半分正解、半分不正確 みたいな感じです 皆さんのイメージでお話しすると 「ヘリの無い正方形の畳」は「半畳サイズの縁無し畳」とか「ボウズ畳」であって、その中に「琉球畳」もあれば「そうで無いもの」もあるんです。

なんでそんなことになっているのかというと多くの工務店や専門家、畳屋が長年ちゃんと説明しなかったし、否定も肯定もしていなかったのが原因だと思うのですが…

正確な情報をお伝えすると、七島藺(しちとうい とか しっとういと呼ぶ)という断面が三角形をした草を原料にして作った畳表が『琉球表』であり、これを使った畳が本来の『琉球畳』に定義されます。なので、実際にはヘリの無いものはもちろんヘリの付いているものもあるんです。(ややこしいでしょ?)

見た目は普通のい草よりゴツゴツしているんです
こんな感じでヘリ付きのものもちゃんとあります

農林水産省の七島い についてのページ


そんな七島いですが、上記のページにもあるとおり 大分県の国東半島でのみ現在栽培、生産されているものとなっています。

弊社のある兵庫県は比較的大分県が郷里の方が多い印象を持っていますので(従業員高橋のご両親も大分ご出身だそうです)実は昔から知ってるよ!って方がいらっしゃるかもしれませんね。先日お話しした加古川の方も豊後高田市出身で実家で琉球表を織ってらしたそうでビックリしました

そんな七島いですが、現在10件に満たない生産農家の方々が栽培生産を工芸作家さんが様々な工芸品を くにさき七島藺振興会 が七島藺を普及させる活動をそれぞれされています。

いざ現地へ

という感じで前振りが長くなりましたが、つい先月(2022.5)のことですが、上記の振興会のお誘いがあり現地でのい草植え付けと情報交換会に参加してきました。

場所は、大分県国東半島 久しぶりの新幹線で小倉まで向かい…そこから鹿児島本線のソニックに乗り1時間ほどで到着!

何処かの国をガッツリ意識した駅なんかも通過しつつ

現地では、東京や埼玉、愛知に徳島、全国各地から募集を見て集まったもの好き …ではなく!熱心な比較的年齢層低い畳屋の皆さんと合流です

七島藺の田んぼで

ついて早々田んぼに集まり、田植えのお手伝いなのか邪魔をしてるのかわかりませんが、ともかく4グループに分かれて田植え

小学以来の水田へ

普通のい草なら植え付けは初冬、刈り取りを6月に行いますが、七島いは植え付けを5月に刈り取りを8月にするそうです。要領は普通の田植えと変わらないですが、経験したのは小学生の頃以来なのでコツを思い出す前に呆気なく終了 翌日から3日ほど下半身の筋肉痛と腰痛に悩まされたのはここだけの秘密です。

数日前に農家さんが植えられたところと自分たちが植えているところ

色々試行錯誤をされてどうにか植え付け、刈り取りを自動化しようとされているらしいのですが、今のところ有効な策がなく手植え、手刈りが続いているそうです。さらに刈り取り時期が8月のためとんでもない重労働となるそうです。

その後は、農家の皆さんと畳屋連中で意見交換

侃侃諤諤 というやつですね

農家さんからは「改善できるところがあるならどんどんしたいので実際に使っている人の感想をもっと聞きたい」という話が出てきました 多分これはイグサ農家や縁メーカーさんもそうでは無いでしょうか? どこまでも良いもの(消費者に納得していただくもの)を作ろうと貪欲な姿勢が僕ももっとお客様に薦めていこうって気にさせてくれます。

てな具合で初日が終わり、翌日 今度はこちらへ

七島藺の歴史や作り方を学べる場所です

琉球表を織り上げる機械 半自動化されています
こうやって一本ずつ差し込んで作ります

農家さんが実演してくださったのを見ていると簡単そうに見えますが当たり前のように難しい作業です。

手慣れた人でも1日2枚が精一杯 農家の数と年間の稼働日数を考えたら流通枚数が年間2,000畳程度というのもうなずけます。 しかも全自動より半自動の方が熟練の農家さんには効率がいいなんて話も‼️

どうしたら手に入るか?

見た目は無骨で繊細さとは対極にありそうなこの七島いの琉球表ですが、耐久性は普通のい草の比ではありません。20年経ったものを裏返して使ってもまだまだ現役です。(実際意見交換会のあった座敷の畳がそうでした)

流通量も少なく幻の材料になりつつありますが今ならまだ手に入れることができます。 まずは当社までご連絡ください。とにかく、気長に材料が届くのを待っていただく覚悟は必要かもしれませんが必ずご用意いたします‼️枚数と時期によっては一年待ちなんてこともあるかもしれませんが、運が良ければ数ヶ月待ちで手に入ることもあるようです。

ホンモノを求めてらっしゃる方には是非とも指名買いしていただきたいオオガメおすすめの畳のご紹介でした‼️

参加した畳店・農家の皆さんと

 

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